今月のゲスト | 下北沢一龍へ行こう!

下北沢にあります中華そば専門店「一龍」に友人、知人、初めて会う人誰でも招いてラーメンを一杯食べていただき感想文を頂戴する企画。
2001,09 せきもとなおひろ氏
せきもとなおひろ氏『出会い』

らーめんと言う食べ物ほど、ドラマを感じれる食い物はない。
一杯の美味しいらーめんに巡り合えた時、それはまさに『出会い』である。
そして一龍の中華そばの中には、たゆたゆと積み重ねられた無数の『出会い』があり、美味しいものの中に程、その歴史を感じ取ることができる。

7月のとある月曜日、照りつける太陽に蒸しあがってしまいそうになりながら一龍へと向かう。

池ポンさんとの待ち合わせで人足先に着いたぼく。
ほどなくして足取りも軽く池ポンさんがやって来た。
一龍が好き過ぎるのだろう。池ポンさんの顔は、まるで一龍のどんぶりのようになってしまっている。
その顔を見ていると余計にお腹が空いてしまうじゃ〜ないか!!

のれんをヒラリとかわし店内へ。
池ポンさんは中華そばを、来店二度目のぼくは前日からワンタン麺を注文することに決めていた。
少々混み合った店内でしばし待つこと約6分。
池ポンさんとぼくの前にはそれぞれの中華そばが並ぶ。
どんぶりからは霧雨が煙るような湯気が立ち昇り、黄金のスープは箸を沈める瞬間を静かに待ち構えている。

そう、数日前はじめて一龍に来た時もそうだった。
まず始めにれんげをスープに沈ませ、ゆっくりと口へ運ぶ。
ひとくち・・・・・ん?ふたくち、みくち・・・・・少し考えて、よんくち。
「んんんんん〜〜〜〜〜」ぼくは少し唸ったのだった。

旨い・味わったことのないスープだ。

ただイタズラに印象が強いという代物ではなく、実に繊細で深い味わいである。
一度口にしただけで、『コレはまた喰いたくなる』というスープだ。
どんどん後を引く『れんげが置けないスープ』なのである。しかし、どのように形容してよいのか適切な言葉が浮かばない。

ぼくはらーめんが大好きなので、そこそこ種類は食べている。
好きならば好きなほど味にも当然うるさくなるが、このスープはまさに絶品である。

この度二度目の麺は、一度目来店時の時より湯切れが良く、ちじれた麺によくスープが絡まりバランスが良い。
ちじれ麺は、湯をよく切らないと口にした時に水っぽい印象を与えてしまう。
願わくば、平ざるを使ってよ〜く湯切りをしてもらいたい。

あつあつのワンタンは、ちゅるんと口に滑り込む。
噛むと同時に肉汁の熱さで、口がホフホフと踊る。すかさずスープをすすり、ワンタンの旨味をさらに強化。ワンタンが喉元を過ぎれば麺をすすり、また麺が喉元過ぎれば左手でしっかりと握ったままのれんげが休むことなくスープを運ぶ。

ぼくは最近感動するとしきりに『うん、うん』と唸るのだが、今思い出すとぼくは箸やれんげを口に運ぶ度に『うん、うん』唸っていたように思う。

そして味わうほどに時折考え込んでしまう。
そう、冒頭に述べたように『出会い』に歓喜し『歴史』に憶いを馳せ『今というこの瞬間』に舌鼓を打つ。という具合だ。

一度食べたら、必ずまた食べたくなる。
これが旨い食い物の本質である。
そして、ぼくはまたくぐるであろう『一龍』ののれんを・・・・

せきもと なおひろ

| 2001,09 せきもとなおひろ氏 | 18:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
CATEGORIES
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE